ヘルスケア 健康な暮らしを保つために

ヘルスケアの歴史

東洋の「未病」

ヘルスケアとは病気を「治す」のではなく、病気にならないよう健康を「維持する」ことだと冒頭に書きましたが、このように病気を治すことよりも、予防に重点を置いた考えを「予防医学」と呼んでいます。


しかしヨーロッパを中心に発達した西洋医学は、長い間その予防医学を重要視しておらず、近年ようやく注目を始めました。というのも西洋医学には、病気になってから薬を投与する、病気になってから手術でその原因を取り除くというように、「発病後に手を打つ」という考えが根本的にあったからです。しかし近年ではその考えの問題点が指摘され、西洋医学も予防医学の概念を取り入れるようになってきています。


対して中国医学を主とする東洋医学は、早い段階からこの予防医学に着目していました。それを表すのが、「未病」という言葉です。 未病は、最近日本のメディアでも注目され始めた言葉ですが、中国でこの言葉が最初に登場したのは、約2000年前に編纂された中国最古の医学書「黄帝内経」だと言われています。


未病とは、単純に言うと「発病とはいかないまでも、病気が進行しつつある状態」のことで、日本の専門組織「日本未病システム学会」の定義によると、「自覚症状は無いが、検査で異常がある状態」および「自覚症状はあるが、検査では異常が無い状態」という2つの状態を合わせて未病と呼んでいます。この未病の状態から対処していくのが中国医学の主な考え方なのです。


先ほどの「黄帝内経」の中に「未病を治す」という言葉があります。つまり「発病する前に健康な状態になる」ということです。中国には、大昔から現代のヘルスケアに通じる考えが存在していたといえます。