鍼灸の項で少し話しましたが、東洋医学には身体の健康なくして美容は実現できない「健美」という言葉があります。この言葉からも分かる通り、美しくなることと健康であることには深い関係があると昔から考えられていたのです。つまり心身を美しく保つこと、それもヘルスケア行為の1つということになります。
さて美容、綺麗になるための行為ということで代表的なものが「エステ」です。エステの発祥に関しては様々な説がありますが、有力とされているのは18世紀のフランス、マリー・アントワネットの時代に流行したという説です。
この時代、上流階級の女性たちが自分たちの美しさに磨きをかけるためにこぞって牛乳風呂に入ったり、当時の化粧品を使って手入れをし始めたりしたことが、現在のエステに繋がっているとされています。
一方で、日本におけるエステの元祖というのは、明治時代より行われていた「美顔術」という女性向けのフェイシャルケアのことだといわれています。その後高度経済成長を迎える1970年代に入り国民の所得にもゆとりができると、顔だけでなく全身マッサージや脱毛をメニューに持つエステサロンが増加していき、ここからエステの定着が始まっていったと思われます。事実日本初となるエステティシャンの団体、日本エステティシャン教会(現・日本エステティック教会)が発足したのは1972年ですから、この時期から後のエステブームにつながる基礎が生まれたのは間違いないでしょう。
今では全身エステ、フェイシャルエステだけでなく、やせる効果のある痩身エステや、結婚式の前に自分の美しさを高めるために行うブライダルエステなどの多様なエステが存在しています。